七夕のすべて
私は大学時代、専攻が「文化財学科」でした。そこでは博物館や美術館で働く「学芸員」になるため、考古学から民俗学まで学んだ経験があります。
その名残か、今でも季節事の行事や珍しい祭りをみると、成り立ちや起源について調べる事があります。
今回は、子供さんに日本の伝統行事を勉強して欲しい親御さん、それに私と同じ様に好奇心を少しでも満たしたい方の役に立てればと思い、その中でも夏の風物詩とも言える「七夕」について自分が調べた事をまとめてみました。
これを読めば、
七夕の起源
七夕の由来
七夕を行う意味
短冊と願い事の関係性
七夕に関する豆知識
海外での祝い方
などが分かります。
他にも、国内で行われる七夕の違いや、七夕の歌の歴史、元は同じでも地域によって変化した御祭り等もお教えします。日本は一年を通して和洋中と織り交ぜた様々な行事が行われる、少し面白い国です。そんな日本を少しでも海外にアピールしたい、日本の良さを広めたいという悩みを抱える人も、このレポートを読めば夏を迎える前に「日本の風物詩」に関する疑問や面白さを分かって頂けると思います。
「はじめに」
仏教やキリスト教など決まった神様を祭る「宗教」が伝わる以前の日本では、島国が持つ独特の気候や、それによって起こる自然現象は自分達の力を超えた、目に見えない「存在」が関わっていると考えられていました。
そして、それは自分達を取り巻く海や山、それに小さな川や草花、更に昆虫にも宿っていると当時の人々は思っていました。そんな「存在」が宿る物をを人々は「神様」として敬い、自分達に災いが降りかからない様に鎮める儀式を独自に作り上げていきました。そうして日本には「八百万(やおよろず)の神々」という考えが生まれ、今も残っています。
しかし、時代を経て中国から日本に渡って来た「渡来人」と呼ばれる人々によって様々な技術や文化が伝わり、仏教が本格的に取り入れられた飛鳥時代には、中国と同じ様な本格的な政治や法律が生まれました。そんな政治の中に、人々は今まで行ってきた数々の儀式を「年間行事」として取り入れ、国の平和や国家の安定を神に祈ってきました。
それらの行事は、初めこそ宮中や幕府など国を治める機関で行われていましたが、室町や江戸時代など大衆文化が盛んになる頃には、一般の人々にも広がって現在にも伝わってきました。
そんな「年間行事」の中で、今回は夏の風物詩ともいえる「七夕」について御紹介しようと思います。「七夕」の知っている様で知らない事を知って、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
- 七夕の起源…行われる様になったきっかけや歴史など
- 七夕の由来…7月7日が「七夕(たなばた/しちせき)」と呼ばれるようになった由来など
- 祭りの意味…季節ごとに行われる「祭り」の意味について
- 七夕飾りについて…七夕飾り、短冊と色の関係性、願いごとの始まりなど
- 七夕と星について…七夕には「織姫」と「彦星」が欠かせません
- 七夕と歌について…「たなばたさま」などの歌について
- 日本の七夕行事について…七夕の時期に行われていた行事について
- 海外の七夕…中国・韓国・ベトナムの七夕について
- 七夕と習慣について…地域ごとに異なる習慣や習わしについて
- 七夕に関する豆知識…七夕に関する小さいけれど意外な事
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