大阪の「七夕歌」

大阪の「七夕歌」

 まだ大阪に村が多かった頃、人々は「七夕」の前日にやってくる竹売りから竹を買って、それを家々に飾っていました。特に北摂津の能勢町から河内・泉南地方にかけての農村地帯では、子供が「七夕」に歌って村を歩いて回る習慣がありました。その時に歌われたのが、次の様な歌です。

 七夕さん、ほおずきとっても、だんないか、あんまりとったら、もったいない

 これを自分達の願い事を書いた短冊や、色紙などで飾った竹を持ちながら歌い歩いたのです。この歌は、よく「問いかけ」と「返事」を繰り返す遊び歌に似ていますね。肝心の歌の内容ですが、歌詞に出てくる「だんない」とは近畿の方言で「構いませんか?」と尋ねる時に使います。つまり、この歌は「ほおずきを取っても構いませんか?」と七夕さんに尋ねて、それに七夕さんが「あんまり取るともったいないよ」という物です。

 「七夕」といえば幼稚園や小学校で習う歌しかないように思われがちですが、この様に地方によっては方言が使われた独自の「七夕歌」があったんですね。

関連コンテンツ

スポンサードリンク