七夕と「ねぶた」

七夕と「ねぶた」

 「七夕」がまた「旧暦」の頃、日本各地では秋の農作業が本格的に行われていました。しかし、作業が重労働になると疲れがたまってきて、作業中に睡魔が襲ってくる事があります。秋の農作業は寒い冬に備えて食料を少しでも多く備蓄するために中断できない上に、鋭利な刃物の農具を扱っているので、作業中の睡魔は様々な意味で天敵でした。

 その睡魔を払うために、眠りを紙で作った人形に肩代わりしてもらい、川などに流して祓い清める習慣がありました。この習慣は火が灯った蝋燭(ろうそく)を紙の灯篭(とうろう)に入れて川に流す「灯篭流し」の一種で、「眠り流し」と呼ばれる七夕行事の一つでした。この習慣自体は農作業が機械で行われる様になった近代では行われていませんが、形を変えて東北地方で盛大な祭りとして受け継がれています。

 その中でも、特に有名になったのが青森の名物行事でもある「ねぶた」です。今でこそ、大きな出し物と人々の盛大な賑わいで熱気が溢れる祭りになっていますが、この祭りの元になったのが旧暦の七夕(八月七日)に行われていた「眠り流し」だと言われています。他にも、秋田県の「竿燈(かんとう)祭り」も同じ様な意味で発展した祭りだと考えられています。

関連コンテンツ

スポンサードリンク