祇園祭と無病息災

祇園祭と無病息災

 日本三大祭りの一つとして国内だけでなく、今では海外でも有名になった「祇園祭」は京都にある「八坂神社」の祭礼で七月一日から始まり、約一ヶ月間も続けられます。この「祇園祭」の始まりは古く、平安時代まで遡ります。

 その昔、京の都をはじめ日本全国で疫病が大流行したとき、その疫病が退散することを願って、当時の朝廷が国の数だった「六十六」にちなんで六十六本の鉾(ほこ)を建てて、市中を歩いて疫病や怨霊を鎮める「御霊会(ごりょうえ)」を行ったのが始めとされています。

 この事から、「祇園祭」は最初は「祇園御霊会」と呼ばれていました。しかし、明治時代になって神様と仏を切り離す「神仏分離」が行われて、呼び名が今の「祇園祭」になったのです。
 そして、この祭は朝廷だけでなく民衆も一日でも早く疫病が去る事を願って「御霊会」を行っていました。その中でも、一番の賑わいを見せたのが疫病を退治する牛頭天王(ごずてんのう)という神様を祭っていた「八坂神社」だったと言われています。

 今は大きな出し物である「山鉾(やまぼこ)」の巡行が見せ場になっていますが、本来の「祇園祭」は人々の無病息災を願って行われているのです。

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