水で清める

水で清める

 周囲を海で囲まれながら、国内に多くの山や森を持つ日本には沢山の清流があります。そのため、日本には水に関する儀式や修行が数多く残っています。例えば、仏教徒の人が真冬に荒々しく流れる滝の中で御経を唱える修行風景などは、よくテレビなどで取り上げられますね。

 これは寒さの中で精神を鍛えるという意味のほかに、水で体を清めるという意味もあります。仏教に限らず、日本には古くから「禊(みそぎ)」という言葉があり、これは川や海で体を洗って大事な神事の前に身を清める事から生まれました。

 神事とは神様を祭る儀式の事で、日本では様々な年間行事の中に「禊」と似た様な習慣がありました。「七夕」の場合は、井戸が使われていた頃は生活に不可欠な飲み水に困らない様に井戸の掃除をして水の神様を祭ったり、子供が水難に合わない様に水浴びをさせるといった習慣が「七夕行事」として行われていました。

 この水に関する行事は、人だけでなく農耕で畑で耕すために働いてもらう牛や馬を川で泳がせ、身を清めさせるといった習慣がありました。水道が普及した今では、井戸の掃除を行う風景は見られなくなりましたが、「七夕」に川や海で水浴びをする習慣が今も残っている地域があるそうです。

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