七夕の誕生

七夕の誕生

 「七夕」が日本の行事として定着したのは、中国から農耕が伝わり、更に天文学を元に作られた「暦」という「自然」を細かく分類して生活を送る考え方が浸透した後の事です。しかし、中国から日本に「暦」が伝わったからといって、直ぐに「七夕」が生まれた訳ではありません。私達が知っている「七夕」は、中国と日本で行われていた伝統的な風習の数々が重なり、それが一つになって江戸時代の頃に、やっと今の形になったのです。

 その元となった風習に関しては、中国も日本も歴史が長いので色々な説があります。その中でも、特に有力な候補に挙がって三つの説があります。一つ目は、発祥は不明ですが中国で技巧や芸能の上達を願って行われた「乞巧奠(きこうでん、きっこうでん)」という風習、二つ目も中国で農作の時期を知るため行われていた天体観測で生まれた有名な「星伝説」です。三つ目は、最初の二つに古くから日本で神様に布を捧げる女性を信仰していた「棚機(たなばた)」と呼ばれる風習が重なって、「七夕」の原型が誕生したと考えられています。

 今は竹に飾りや願い事を書いた短冊を吊るすだけになっていますが、「七夕」という行事が生まれるまでには、実に様々な交流や変化があったことが分かりますね。

関連コンテンツ

スポンサードリンク