七夕馬

七夕馬

 この「七夕馬」とは、七夕の日にワラや秋になると穂を出すイネ科の大形多年草の「マコモ」や、日本の伝統建築でもある茅葺(かや)屋根に使われる「茅(かや)」を使って作られる馬の人形の事です。

 正式名称は「七夕」に作るので「七夕馬」ですが、「茅(かや)」と使う事から今でも農業が盛んな地域(特に東北)では「カヤカヤ馬」という愛称で親しまれています。

 この馬は、ちょうど「七夕」が「旧暦」では先祖の帰ってくる「お盆」の時期であったので、帰ってくる祖先や恵みを与えてくれる天の神様を迎える乗り物として作られ、その習慣が「七夕行事」の一つとして取り入れられたのです。ですが、今は屋根にワラや「茅(かや)」を使う家は無くなり、この習慣を知っている人は殆ど居なくなりました。

 それでも、日本の中には現在も農業が盛んな地域もあるので、お年寄りが子供達に馬の作り方を教えて、子供は自分で作った馬を家に持ち帰り、願い事を書いた短冊を飾った竹の側に置いて御供え物をする所も残っています。

 ちなみに、この馬は「七夕」の翌日に川へ流すのが一般的でした。この様に行事で作った物(特に人形など)を川に流す習慣は、他の伝統行事でも見かける光景ですね。

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