七夕と「棚機女(たなばたつめ)」

七夕と「棚機女(たなばたつめ)」

 中国から伝わった「七夕」に関する行事が、今も途絶えることなく続いている背景には、日本が稲作を行っていた他に「古事記」に登場する「棚機女(たなばたつめ)」を信仰していた事が関係していると考えられています。

 この「棚機女」とは織物を作る手動の機械を扱う女性を指し、「古事記」にちなんで天から降りてくる水神に捧げるための神聖な布を穢れを知らない女性が「棚造りの小屋」にこもって俗世から離れて織る、という習慣がありました。

 この女性が過ごす「棚造りの小屋」とは、日本語の「棚」に含まれる「借家」の意味をこめて「布を織る間だけ借りる家」という意味があります。そして、この「棚」は俗世から女性を離すために高い柱で支えられていました。現代の私達には、この「棚造りの小屋」は馴染みのない物の様に感じますが、家の高い所に置いて神様を祭っている「神棚」と同じような物です。

 この様な習慣と「星伝説」に登場する「織女(織姫)」が似ていたので、日本では中国から伝わった行事が広く受け入れられたといわれています。また、「七夕」を「たなばた」と読むのは、この行事の際に特別な「棚」を作る他に「棚機女(たなばたつめ)」の習慣があったからだと考えられています。

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